スズメバチの被害についての考察

スズメバチは毒性の高いハチであり、しかも攻撃性も高いため人間が刺される確率も高いのです。

事実、毎年数十人の方がスズメバチに刺されてしまって命を落としているのです。しかも被害の件数はこの数十年で増加しています。

被害増加の原因や対策についてみていきましょう。

スズメバチの被害が増えてきた歴史と背景

スズメバチの個体数について調べてみると、個体数が大幅に増えていないことがわかっています。それなのにその被害が増えているのが現状なのですが、その理由についてみていきましょう。

宅地開発と都市化

スズメバチの主な生息地域といえば森や林、山といった自然環境豊かな場所がメインでした。

しかし宅地開発や都市化でどんどん自然が開発されたことによって、スズメバチたちは都会に進出してくるようになり、都市部での生活にも順応できるようになったのです。

身近な場所に巣を作るようになる

都市部でスズメバチが巣を作るのが人間の家の軒下や屋根裏、マンションのベランダといった場所になります。

人間が生活しているすぐ近くでスズメバチの巣が増えてしまうことによって、人間が被害に遭う危険性も高くなってしまったのです。

スズメバチは巣を攻撃されたと感じると、人間にも攻撃を仕掛けてきます。巣の近くを通っただけでも攻撃だとみなして、人間を襲ってくるようになりました。それがスズメバチの被害増加につながっています。

ハイキング、登山人気

運動をすることが健康に良いことが言われるようになり、登山やハイキングに出かける方が増えたことも、スズメバチ被害増加の原因になっています。

森や山にはスズメバチの巣がたくさんあり、気が付かないうちにそれらの近くを通って被害に遭うケースが増えているのです。

都会のスズメバチ被害

都会でも増えているスズメバチですが、どのような状況で被害に遭っているのでしょうか。

自宅で作業中に被害に遭う

たとえばマンションのベランダに巣を作られてしまった場合、ベランダで洗濯物を干しているときなどにスズメバチに刺されたという被害が報告されています。

他にも自宅で庭仕事をしていたりするときに、誤ってハチの巣の近くを通ってしまい、被害に遭ったという事例もあります。

子供が被害に遭うことも

子供はハチの危険性や怖さについてあまり理解していません。ハチの巣を見つけると興味を持ってハチの巣に石を投げたりして、攻撃をするのです。

その結果起こったスズメバチに刺されてしまうという被害も聞かれます。

スズメバチの被害を減らすためにできること

スズメバチによる被害は今後も増えると考えられていますが、その被害を減らすためにできることについて知っておきましょう。

危険性について知ること

スズメバチは人間の身体の大きさと比べるとその何百、何千分の一程度しかありません。しかしスズメバチたった一匹にさされただけでも、死に至る危険性を持ち合わせているのです。

その危険性についてよく理解することで、むやみにスズメバチに危害や刺激を加えないようになるでしょう。

スズメバチの対応について知る

ハチが近くに寄ってくると手で払おうとしたり、走って遠くへ逃げようとしたりするでしょう。

しかしこれらの行為がスズメバチを刺激してしまい、逆に攻撃を受けることにつながってしまうのです。

スズメバチが近くに寄ってきたら、じっとしてゆっくりと後ずさりするようにその場を離れることが大切です。

また攻撃前に顎や口をカチカチと鳴らして威嚇攻撃を仕掛けてきますので、その前に逃げるようにするなど、スズメバチの対応について知っておくと刺されるリスクを減らせます。

刺された後の対処法について知る

気を付けていてもスズメバチに刺されることはあります。その時の正しい対応について知っておくことで、重篤な被害に遭う危険性を減らせるのです。

たとえば刺された後はアナフィラキシーショックが起こる危険性が高くなりますので、全身症状が出ないかどうかをよく観察する必要があります。

もしも全身症状が出てきたら、速やかに医療機関を受診することが大切です。